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2006/03/26

『ロッキー・ホラー・ショー』問答無用のロック・ミュージカル感想。

(原題:『The Rocky Horror Picture Show』) (1975)

監督:ジム・シャーマン
映画脚本:リチャード・オブライエン、ジム・シャーマン
オリジナル舞台脚本・作曲・作詞:リチャード・オブライエン

フランクン・フルター博士:ティム・カリー
ジャネット・ワイス:スーザン・サランドン
ブラッド・メイジャース:バリー・ボストウィック
リフ・ラフ:リチャード・オブライエン
マジェンタ:パトリシア・クイン
コロンビア:リトル・ネル
エヴェレット・フォン・スコット博士:ジョナサン・アダムス
ロッキー・ホラー:ピーター・ヒンウッド
エディ:ミートローフ
犯罪学者:チャールズ・グレイ


問答無用の名作。

ほんと大好きです。

カルトでアッパーなミュージカルならではの高揚感とか、
冒頭の、クチビルが歌う(唇:パトリシア・クイン+歌:オブライエン)
"Science Fiction Double Feature Reprise"から表されるような
全体の背後にあるセンチメンタルな空気とか。

エア・ポケットに落ちちゃったようなはみだし気分のときに優しい、
なんでもいいじゃない、なんでもありじゃない、っていうような
考えなしのB級感とシリアスな異端者感(ていうか異星人だし)に、
いつ見ても幸福な気分になれます。馴染む。

ほんと、バカでグラマラスでセンチメンタルでセクシー。
それにポップ。

20th Century Foxのオープニング・テーマが
ホーンじゃなくてピアノに替わってるところから
まずツボ入るんですが、そのあとの
"Science Fiction..."の映画の紹介を兼ねた
「深夜のSF映画二本立てを見に行きたいな」って歌で
もう完全にB級SFホラー&歌ものに気持ちがシフトしてるため、
本編のミュージカル・シーンへもすんなり入れます。

とにかく全体に、ミュージカルへの移行が絶妙の間合いで
行われるので、気持ちが盛り上がる盛り上がる。
"The Time Warp"なんか一緒に踊りたいですよ!

参加型ミュージカルとして観客が踊る、ってのもよくわかる、
ポップなロック・ミュージカルの金字塔。
ジム・シャーマンとリチャード・オブライエンのコンビに
敬意を表したいです。


キャストも素晴らしいです。
見事なはまりぶり。

フランクン・フルターの演じるティム・カリーなんか
奇跡のようです。ゴージャスで異端。
有無を言わさず美しい、って感じさせちゃうような強力な魅力。

「トランシルヴァニア星雲トランセクシャル星からやって来た、
私はスウィートな性倒錯(服装倒錯)
I'm just a sweet transvestite
From Transexual, Transylvania」
って歌う"Sweet Transvestite"でいきなり
フランクの魅力にやられます。

リフラフとマジェンタだとか、コロンビアとエディだとか、
それぞれのカップルもすごくいい。

特にエディにベタ惚れのコロンビアが。
めろめろになってるコロンビアと半ケツ状態のでぶエディが
床転げまわるとことか大好き。

大きくスリットの入ったメイド服だとか、マジェンタは
とにかく格好いいし、自分のつくった脚本・音楽で
リフラフみたいにここまで抑えながらいい味だせる
リチャード・オブライエンは素晴らしいです。

スーザン・サランドンは、この映画のジャネットがいちばん好きかも。
カマトトぶりがかわいいってんだからすごいです。
賢い女がやり方を心得て演じる、ぶったヴァージン娘ってすごい。

婚約したばかりのクリーンなカップルの片割れ、
夢見る小娘のようなソプラノが美しいジャネットが
ロッキーに迫って「わたしにさわって、ダーティになりたいの」って歌う
"Touch-a, Touch-a, Touch Me"なんか、
セクシーでキュートですごくいい。

冴えない彼氏ブラッド役のバリー・ボストウィックは、
最後の方、ハイヒールを履きこなしてるのにびびります。

190cm超えの身長で10cmくらいのヒール履いて、
とんでもなくバランス悪そうなのに
ラインダンス風に高々と脚を上げて踊る。
何者?!って感じです。
あんなデカいヒール男(しかも歌って踊れる)見たことない。

でもさらにびっくりしたのは、このバリー・ボストウィック、
『スピン・シティ』のニューヨーク市長ウィンストン役だったんですね!

見ててちっとも気づかなかった。
ガーターベルトにヒール履いて踊ってた男が
市長役か…。感慨深いな。

(ネタ?)
スコット博士が、まさか!って感じで
ブランケットまくって、自分の脚もストッキング一式に
履き替えさせられてるの発見するところは大好きです。
上は着替えさせなかったあたりに、良心が見えます。
さすがに博士のコルセットは見たくない…。

まあこの映画全体に、ストッキングとかハイヒールとか
ガーターベルトとかコルセットとか、そういうアイテム
男が着けてようが女が着けてようが、さして気にならなくなる
問答無用のパワーに溢れてるんですけど。

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コメント

店員さんが皆アミュージシャンを目指すお方たちが多い音楽ショップに(役名がわからない)フランケンばりのいでたちで、レジにばかでかい女の子がいた(ヒールと頭髪先がかなりかせいでいる)。よく似合っていたし”勝負してる”って感じだったのでつい「何メートルあるの?」と聞いたら「何メートルもないっす」と。「その頭不敵いや、素敵だぁ」と返したら中指おっ立てて爆弾頭の真っ赤な唇を突き出しながら「ありがとうございます」とうれしそうに顔を赤らめていた。実際よく似合っていてかっこよかったのだ。彼女に私は自由を与えられたように感じた。ホントに。ロッキー万歳、ホラーショー・ハラーショー。

投稿: 南極太郎 | 2006/03/28 20:36

フランケンばりのいでたちってすごい!かっこいい。
ロッキー・ホラー・ショーが愛されるのは
やっぱりあの自由さですよね。
みんながあの映画見てハッピーになるといいと思います。
わたしどんなだってアリだわ、って。

投稿: kishi | 2006/03/30 00:07

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