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2006/02/19

『K☆19 THE WIDOWMAKER』無難感想。

(原題:『K-19: The Widowmaker』 )
監督:キャスリン・ビグロー
アレクセイ・ボストリコフ(艦長):ハリソン・フォード
ミハイル・ポレーニン(副長):リーアム・ニーソン
ヴァディム(原子炉担当士官):ピーター・サースガード

って邦題、☆入ってますけど、これ、なんか、
人を激しくカン違いさせますよね。どんな楽しい映画だ。

ソ連の記章だとかを意識した結果なんですか?

副題はすごい。未亡人製造機。
「娘さん、よく聞けよ、山男にゃ惚れるなよ」って、
あれですか。あの歌と同じですか。


監督が『ブルースチール』『ハートブルー』のビグローってのからすると
大いに気が萎えるんですが(知らずに見てよかった)、
これが意外とよかった。


話は、1961年旧ソ連の原子力潜水艦K-19で
実際に起きた原子炉事故に基づいて、
乗組員の命、軍最高峰の潜水艦(でも壊れる)の秘密保持、
祖国ソ連の体面、運命などをいろいろ秤にかけた
決断を迫られる軍ものサスペンス。一歩間違うとパニック。

主軸は新艦長ボストリコフ(ハリソン・フォード)と
副長に降格された元K-19の艦長ポレーニンとの折り合い。


ソ連崩壊まで、全員が口を閉ざしてきたっていうよりも、
口に出来ないような杜撰さだったんじゃないかっていうような
ヒューマン・エラーの数々。おそろしい。
これが最新鋭の艦だって言うソ連が。


キャストはよかったですね。

あったかい家族愛と責務への使命感で、
もっとも頼れる合衆国の父ハリソン・フォードが
今回はソ連海軍の冷酷非情な新艦長。

が、これが結構似合う。
ハリソン・フォードは元々声がいい人ですよね。
低めの声でズッパズッパ他人の意見
切り捨てていくところはなかなかお似合いです。
締まっててかっこいい。

で、リーアム・ニーソンは部下に慕われる前艦長、若干熱め。
これが、デカすぎて終始気になるんですよ。
みんながふつうに歩く艦内でひとり背を丸めて歩いてる…。
大きな人は潜水艦乗りにはなれないって話ありませんでしたっけ。
部下の信頼厚い頼れる男役はよく似合います。


目当てのピーターはですね、急遽原子炉担当の
交代要員としてやってきた実務経験のない学校出の士官さん。
もう早速ダメ感。素晴らしいですね。
期待を外さないこのキャスティング。

(ネタバレ)
原子炉の故障時に、担当士官として修理状況を確認すべく
第3グループとして炉に入れ、って命令されますが、
脅えてパニックになり、代わりに機関士長が行くことに。
…うわあ、期待を裏切らない。

でもかわいそうですよ、3番手。
1番グループが被爆して皮膚ただれた状態で
原子炉からヨロヨロ戻ってきて、だらーと吐く。
そんなのを見させられてから入れって言われても。
(2番手は炉の中で交代してるので
1番目の状態はよくわからない)

まあそれでも中に入る男前がいるので、言い訳になりませんが。
待機メンバーはソレ見えないところに置いといてやって!って
同情しました。そりゃびびるって。

その後、死にそうになっている原子炉班の
メンバーの手を握って交流したりしてました。
この艦の人たちみんな優しいです。
当然、この臆病者!卑怯者!との
謗りを受けると思ってたんですが、
ヴァディムが負傷者たちと一緒のところにいても
誰もなんも言わない。ほんとですか。
最後はよくがんばりました。

ピーター、いつもああいうダメ男系なので見過ごしがちですが、
結構いい演技します。たんなる腰抜けであることにプラスして
婚約者カーチャのためにも死にたくない、っていう
微妙さがいい感じに出てました。


全体に、軍隊ものはむさくてマッチョだから嫌いだ、と
思ってるわたしにも、なじみやすいサスペンス。
(ていうか士官はともかく、下っ端たちが
意外に若くてかわいいのを揃えてきたため、
そこらへんが軽くて見やすかった。
スラヴ系を意識した人選なのでむささ薄め。)

泣き場面もスタンダードに押さえ、
文句を言う筋合いもない感じに手堅くまとめてます。
点数つけるなら6.8/10点くらい。妥当な映画だ。


でも死亡者数の中に、うっかり火事で焼けちゃった人たちが
含まれてなかった気がするんですよね。
無駄死にも、ちゃんと"英雄"に入れてもらえたかな…。

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