« 『ミッション・トゥ・マーズ』緊張感て?感想。 | トップページ | 『ビヨンド・ザ・シー 夢見るように歌えば』正気感想。 »

2006/02/05

『アタメ 私をしばって!』純愛感想。

(原題:『¡Átame!』←スペイン語フォントが出ない) (1990)

相当昔に見たので当時アルモドバル、バンデラスということさえ
よくわかってませんでした。
『レジェンド・オブ・ゾロ』を見るにあたっての
復習でもしようかなと思いまして。

精神病院から出たら一度寝たことのあるポルノ女優のマリーナと
結婚しよう!と思い立ったリッキー、彼女に近づくも拒絶され、
ええいそれなら縛っちゃえ!と。
果たしてこの求愛、成功するのか?って話。


単にストーカーじゃないか、ってのとはちょっと違いますね。
セクハラと一緒ですよ。何をするかじゃなくて
誰がするか、ですよ。

なにしろバンデラスですよ。30前。
これはアリなんじゃないですか。

それにストーカーというより、精神未熟なやんちゃ男が、
求愛もストーキングのやり方もわからず奮闘する、
って話じゃなかったですか。

最初っから忍び込んだ楽屋でマリーナのパンツ盗るかわりに
バッグにプレゼントのチョコレートを詰め込み、
実用品とか金目のものだけコソドロっていくところなんか、
ストーカー気質ゼロです。単に不器用なんじゃないですか。

押し入ったそばから叫ぶマリーナを黙らせようと頭突き食らわし、
殴ってたのには笑いました。
立派なストーカーは少なくとも頭突きしたりはしないですよね…。

手錠かけて二人でマリーナの歯痛止めの薬を買いに行き、
何気ない待ち時間にリッキーが手錠でつながったマリーナの
手に小さくキス繰り返してたのにはメロッと。
あれだけのかわいげがあったらもうなんでもいいんじゃないですか。

ふだんからバンデラスのセクシーさに勝るキュートさをもって
わたし、あれを小鹿だと思ってますが(妄言)、これはなかなかすごい。
茶色の目がキュートったらない。オチるって。

最初に殴った以外は決して手を出さず、
いい夫になる、いい父親にもなる、というリッキーは
なかなか細やかな気遣いもでき、結構献身的だし。


マリーナの気持ちの揺れも、涙をうまく絡めて描いてます。
互いに寝たふりをしながらマリーナがリッキーから
鍵をかすめとろうとするあたりのシーンはいい出来。

(ネタバレ)
そして怪我をして帰ってきたリッキーにダメ押しのように
急速にほだされるとことかも。
母性本能刺激されているようです。
さらに手当てしてくれるマリーナに、こうしてると
バルコニーで母が父のヒゲを剃っていたところを思い出す、
俺の子どもの頃唯一の思い出だ、って言うところで
とどめのダメ押し。マリーナ完全ノックアウト。
これはオチますね。ほんと。

で、そこまでいっても最後まで自分が逃げるかもしれないと思う
マリーナの気持ちの揺れを描き、
私を縛って、というセリフにつなげる脚本にはわたしもほだされます。
いい幸せカップルになって欲しいです。

まあ結局ストックホルム・シンドロームとかも
ロマンのひとつなわけで。

考えて見らたらちょっとおかしな愛の形、という
アルモドバルの得意ネタなわけでした。
細やかなところがやけに行き届いていて、
話の無茶な筋からは意外なほど情感あるいい話。

|

« 『ミッション・トゥ・マーズ』緊張感て?感想。 | トップページ | 『ビヨンド・ザ・シー 夢見るように歌えば』正気感想。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104865/8521865

この記事へのトラックバック一覧です: 『アタメ 私をしばって!』純愛感想。:

« 『ミッション・トゥ・マーズ』緊張感て?感想。 | トップページ | 『ビヨンド・ザ・シー 夢見るように歌えば』正気感想。 »