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2005/12/02

『ヒッチャー』素敵殺人鬼感想。

※普通にネタバレしてます。今後全く見る気のない方、
もう既に見た方以外は避けてください。
(ていうか未見だと意味わからない。適当だから)

(原題:『The Hitcher』)1986年
監督:ロバート・ハーモン
脚本:エリック・レッド
ジョン・ライダー:ルトガー・ハウアー
ジム・ハルジー:C. トーマス・ハウエル
ナッシュ:ジェニファー・ジェイソン・リー

シカゴからサン・ディエゴまで車を運ぶ青年が大雨の中乗せたヒッチハイカー、
その男が連続殺人鬼だったことから青年、大変な目に。

すっごい要らないとこのツボがんがん押されたんですけど。

開始10分でジョン・ライダーと名乗る男が自分からあっさり殺人鬼だって
暴露しちゃってびっくりです。ふつうねりねりとおかしげな気配漂わせつつ、
盛り上がってきたところで本性をさらけ出す、とかですよね。
このあとの展開ってどうするの!って思ったら、
ストーキングものでした。

大事なのは殺人鬼にストーキングされる、ってとこです。
命つけ狙われて危ない目に遭うってのとはわけが違います。
刑事vs殺人鬼の頭脳合戦、とかでもなく、ただ単に、ストーキング。
行く先々で死体。堪りません。ものすごく嫌。

留置所で目が覚めたら鉄格子の扉の鍵が開いている、って、すごい嫌じゃないですか。
なんで開いてんだよ、って。静まりかえった署内に遠くで響く電話の音って!

脚本やら設定やら結構好きです。
全体になんだかよくわからない点で意外で独特。
ヒッチハイカーに怖い目遭わされる話ってふつうにありますが、
それっておっさんvsおっさんとかじゃないですか。
こんな若い、ティーンエイジャーみたいな小僧がホラー・ロードムービーって。
なんか変に新鮮です。

若造ハウエルの演技はいかんせんあれなんですが、
殺人鬼にストーキングされる若者のテンパッた反応としてなかなか、
脅えたりキレたりの脚本だか演出だか、いい感じです。
自分の命がひとつも(ひとつも?)危なくなってないのに、
泣きながら自分の顎に銃をあてるあたり、いいですね。
神経を参らせる恐怖ってそういうものですよね。

銃を構えた警官が、手に唾がかかった、拭け、と言い続けたり、
(ジムが手に触れたら襲われたと言って撃ち殺せる)
それ見てナッシュが酷すぎる、ジムは銃も持ってないのに、とキレたり。
細かいやりとりがなんだか独特です。ずっとゆるゆるとツボ押されてる感じ。

(ジェニファー・ジェイソン・リー若い。明るい役のはずなのに
笑みが顔に広がる速度が遅く、いつもどこか陰気でかわいい娘です。)

あと展開と時間配分も意外。出だしはもちろん、随所のポイントが
意外な時間にやってくる。え?10分で? え?今?みたいなことが多い。
その展開のハズし感も結構好きでした。

で、ツボをがっつんがっつん突いてくれたのは、シリアルキラーどのです。
こんなにときめかされた殺人鬼はベイルのパトリック・ベイトマン以来じゃないのか、
というほどのルトガー・ハウアー、キレぶり。かっこよすぎ。
そしてどこか抜けた雰囲気が漂う。ていうかお茶目。

カフェのテーブルで顔を覆っていた手からジムが目線を上げると、
満面の笑みのライダーが、って、あのシーンにも打ちのめされました。
ジムが空の銃の引き金を涙目でガチガチ弾いてるのを眉下げて笑います。
ものすっごい憫笑…。憐れまれてる憐れまれてる! いい笑顔。

このオランダ顔というか、むしろデンマーク顔というか、この価値を初めて知りました。
今まででいちばんときめいたよ! ていうか初めてときめいた。
(昔『Ladyhawke』見て以来退き続けてた)

ラスト、フロントガラスにドバーンと頭から飛び込んでくるライダー、
ていうかハウアーにほんと噴き出しました。かっこいい。最高です。

ルトガー・ハウアーの笑顔が今日の夢にまで出てきそうな、
素晴らしい映画でした。

話は非常にツッコミどころ満載。というか矛盾だらけというか。
でもいいんです、これ、そういうところ問題にする映画じゃありません。
ファンタジーなんですよ。ジョン・ライダーなんて妖精の域です。
そうでもなきゃ出現タイミングおかしすぎ。
だいたいいつジャケットの中身すり替えたのかとかなんでテレビ切れるとか。
どう考えてもナッシュ連れ去ってから縛る暇なかっただろう!とか。
ジェイソンだとかフレディだとかの仲間だと考えるとツッコむ必要ないですね。
(サイコ系というよりクリーチャー系か)

刑事達がジムのポケットから血のついたナイフ取り出して、車のボンネット置いた後、
彼らジム逮捕してそのまま車出しませんでしたか。
え、証拠物件採取しないのかよ!ってびっくり。

あとになって思い出されるのが、ジムがライダーを乗せたとき、
ママはヒッチハイカー拾ったりなんかするな、って言ってたけどね、
という意味のことをジムが笑いながら言うんですが、ほんと、そこですよ。
マムの言うとおりですよ。だからこんな目に遭うんですよ。

ってこれ、2007年にリメイク決まってるよ!
監督デイヴ・メイヤーズ。ミュージックビデオ界の人のようですが、
どうも不安なアーティストとの仕事が多い。

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