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2005/08/12

文体からしてファンタジー。

『The Chronicles of NARNIA』 C. S. LEWIS

なるものを本屋で見かけて買ってきました。約3千円。
例の「ナルニア国ものがたり」シリーズ全7作を一冊にまとめて(お値打ちです。)、
発表順ではなく年代順、ルイス教授の望んだ順に並び替えてあるようです。

翻訳児童書のファンタジックな語り口にはいくつになっても
ときめかされてきたものですが、これに関してはもう敬語調だとか
時代がかった言い回しだとかの翻訳の問題じゃありません。
行動や会話の流れだとか間だとか、すべてがそのままファンタジックです。
別になんの事件が起こってなくっても。ルイス教授の発想とテンポ感に打ちのめされます。

第2パートの『ライオンと魔女』には献辞、ルーシーへとあてたものがついていますが、

「このお話はきみのために書いたものだけど、書き始めたときには女の子が本よりもはやく大きくなるって、私はわかっていなかったんだよ。」

って、"girls grow quicker than books"の言い方そのものがおとぎ話のように
ふわふわしていて、すごく可愛らしい。いっきに別世界に連れていかれそうです。

「きみはおとぎ話を読むにはもう大きくなってしまったけれど…いつかもう一度おとぎ話を読もうというくらい大人になったら、…」

とつづくのが素敵です。成長した女の子がもう一歩大人になることで、
ふたたびおとぎ話の世界に戻ってくるという。
自分がまさにそのくらい大人になってしまったんだと思うと素敵と笑ってられませんが。
現実は受け入れるべきです。ええ、まさにそのとおりです教授。

とにかく地の文も会話も、ほんとうに読み始めた瞬間からおとぎ話モードに
スイッチできるような、すばらしいお話。すばらしい文体。ああファンタジック。

特に『ライオンと魔女』、やっぱり四きょうだいがかわいくっていいです。
下からルーシーは好奇心いっぱいのおませでかわいいし、
エドムンドは相変わらずのくそガキ、
スーザンはお母さんのようなすてきお姉さんぶり、
長兄ピーターの仕切ってるようでいまいち頼りのない感じ、
この会話がかわいいかわいい。特にエドムンドのくそガキっぷりがよく押し出されてます。
ほんと碌でもない!エドムンド! やつ光ってます。

ちょっと大判の本なので読んでるだけで手がだるくなるのが難点。

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